準広汎子宮全摘手術について

子宮周囲の組織と子宮、膣間も1.5~2cm程度摘出する。
卵巣へ転移し卵巣がんを合併する可能性が高いので、卵巣や卵管の摘出もする。

手術の所要時間は4〜6時間くらいかかる。

リンパ節郭清後にリンパ液が貯まらないようにドレーンを骨盤内につける。

摘出するもの
子宮、卵巣と卵管、骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節、*大網
(*胃から大腸の前に垂れ下がっている腹腔内リンパ組織のこと)

避けられない合併症

閉経前に両側の卵巣を切除することで、女性ホルモンが急速に消失することによる手術後の体調不良であるホルモン欠落症状が起こる。更年期障害のような症状が出る。
症状が出てきたらホルモン補充療法を行うか、進行性のがんの場合はホルモン療法はあまり良くないため漢方で対処療法をする。(私の場合はそう説明を受けました)

一般的な合併症

①再出血

②肺血栓塞栓症
手術中や手術後に下肢の静脈の中に血栓ができ、肺の血管を詰まらせること。
予防のために術中と術後(離床できるようになるまで)に下肢の血流や循環を補助する機械を使用する。
足を動かすことが予防に効果的なので、麻酔から覚めたらベッドの上で足を動かすことや、早期の離床をする。

③腸閉塞
腸管の動きが悪くガスや食べ物が上手く通らず嘔吐してしまう状態で、術後の腸管麻痺や癒着などにより腸管の動きが不十分なためにおこる。
食事をやめて点滴を行ったり、薬で腸管運動を促進したり、チューブを胃や腸に留置することが必要になることがある。
術後の癒着は2、3日以内に生じ始めるので、早期の離床をすることが大切。

④感染症

⑤創部が開く

⑥末梢神経麻痺

(②と③は早期の離床によりある程度予防できるので頑張るところ)

リンパ節郭清による合併症

①リンパ浮腫、リンパ嚢胞
リンパ節を摘出することにより、下肢寄りのリンパ液の還流が障害されることが原因で下肢〜外陰部にかけてむくみが生じる。弾性包帯や弾性ストッキングを用いることで重症化をある程度予防できる。
リンパ節を摘出した後、骨盤内にリンパ液が貯留してリンパ嚢胞が生じることがある。

②乳び腹水
傍大動脈リンパ節郭清を行った場合、術後の食事開始をした際に腸管から吸収された脂肪分がリンパ管を流れていく途中で漏れて*白濁した腹水が出ることがある。しばらく食事を控えた後に低脂肪の食事を続けることで改善される。
(*腹腔内にリンパ液が漏出、貯留する状態)

③排尿障害

④排便障害

私の病状をもとに主治医から受けた説明と、配布された冊子を使ってまとめているので、人によっては違いがあるかもしれませんが参考になれば幸いです。